交通事故による体の痛みNo1は、なんといってもむちうち症です。
追突事故、自損事故、横からの衝突事故、どのような状況でも首は大きく振られ、筋肉に強い損傷を受けます。
実はこのむちうち症、日常で起こりうる寝違えや肩こりに比べ、非常に治りにくいのです。
その理由は事故特有の怪我の仕方にありました。
その理由とは・・。
追突事故によるむちうち症・・事故の瞬間とは
むちうち症の大半は、追突事故により首が捻られることによって起こります。
その瞬間、首はどの様になっているのでしょうか?
例えば信号で止まっている時に後ろから突っ込まれたら・・。
運転席のシート、車は一瞬にして前方へ押し出されます。
ぼーっと立っていて、後ろから背中をドンっと押される感じですね。
すると、首から下は前方に瞬間的に押し出され、首から上の頭はその場に残ります。
そのつなぎ目である首は前後に揺さぶられ、筋肉も関節も瞬間的に強い捻挫を起こすことになります。
さらに細かく首を見てみると、積み木のように重なっている背骨(頸椎)は、事故の瞬間、だるま落としのように下の骨だけが飛ばされるような衝撃を受けます。
だるまであれば飛んでいきますが、首の骨は筋肉で繋がっていますので、首のズレとともに筋肉が伸ばされ、そして瞬間的に縮む力が働き、首の筋肉を強く痛めてしまいます。
これが追突事故の瞬間に首で起こっている捻挫で、長引く症状の原因になってしまいます。
寝違えよりも圧倒的に治りにくい理由
事故の瞬間、首には瞬間的に・かつ大きな力=大きなパワーが加わります。
ここで、トレーニングや物理のお話です。
「パワー」の定義を知っていますか?
パワーとは、力×速度です。
つまり、5秒かけて100の力を出すより、1秒で100の力を出せる方がパワーは大きいのです。
追突時によるむちうちは、大きなパワーが加わっているのです。
一方寝違えは、寝ている状態で何らかの力が長時間首に掛かり続けて、朝起きたら痛い・・というものです。
恐らく寝相が悪いのか、変な格好で首をひねり、そのまま長時間寝てしまったのでしょう。
実はここには瞬間的な速度、また、大きな力は掛かっておらず、「パワー」としては小さいのです。
ここにむちうちと寝違えの大きな違いがあったのです。
まとめ
このように見てみると、交通事故での、瞬間的でかつ大きな力が、いかにパワーが大きいかが分かると思います。
この大きなパワーでの損傷に、力ずくでは全く良くなりませんので、無理に揉んだり、動かしたりしないでくださいね。
交通事故によるむちうち損傷の場合は、交通事故治療院である当院専門の「パワーを抜く」治療が必要になります。