最近話題の「トリガーポイント療法」。
先日もテレビで取り上げられて話題となっていましたが、実は治療やトレーニング業界では10年以上前から浸透しつつある治療法の一つです。
当院では、分かりやすく「圧痛点(あっつうてん)」や「反応点」という言葉で説明しています。
ではこのトリガーポイント、我々はどのように見付けているのでしょう。
他の治療院では取れなかった「痛みを取るコツ」とともにご説明いたします。
トリガーポイントとは
そもそもトリガーポイントとはどういったポイント(点)のことを言うのでしょうか。
「トリガー」とは「引き金」という意味。トリガーポイントとは「痛みの引き金」という言葉になります。
トリガーポイントの本当の意味は、「痛みを引き起こす点」として使われています。
テレビなどでは「腰が痛い時には、お尻の押して痛いところ・・」としか説明されていませんが、私たちは体を動かしながらトリガーポイントを見付けています。
例えば、我々鍼灸師が針を打つ場所もトリガーポイントに近い位置になります。
また、マッサージをする際も、一点を押して痛みが放散する位置や、逆に、痛みが緩和する位置もトリガーポイントに相当します。
これらのポイントに触れることは、体を触ることを熟知した鍼灸師やマッサージ師が最も適していると言われています。
トリガーポイントの2つの特徴
私たちがトリガーポイントと言われる箇所を触れていると、患者様ご自身にも感じられる2つの特徴があります。
一つは、関連痛。
そしてもう一つは、放散痛です。
これら2つはいったいどのようなものなのでしょうか?
トリガーポイントに伴う「関連痛」
トリガーポイントを押す、又は鍼を打つと、押した箇所以外にも思わぬ反応が出る場合が有ります。
例えば、
腰を押したら足の小指がツーンとした!
というものです。
信じられないかもしれませんが、実際に患者様が感じられる感覚です。
このような感覚は理論的にも全く説明できないものではなく、一定の痛みを脳の信号に送る際、近くの信号と相まって、体の他の箇所に同様の痛みを感じてしまう現象です。
逆に、実際に痛む箇所とは別の場所に筋肉の硬さがあり、その硬い筋肉を押すと実際の痛い箇所に響く、ということもあります。
当院でよくみられる関連痛は、
- 肩を押したら腰に痛みが響いて、その場所を治療したら楽になった。
- 足首を押したら痛く、足首の動きを良くしたら腰が動くようになった。
というものです。
この様な痛みの感じ方を「関連痛」と言います。
トリガーポイントに伴う「放散痛」
放散痛とは、一カ所のトリガーポイントを押したときに、その周囲に痛みや痺れ感が広がる痛みを表します。
当院では、
- お尻を押したら足の外側全体にジーンときた!
- 膝の外側を押したら足先まで響いた!
という患者様は頻繫におられます。
この放散痛も治療において非常に重要な情報であり、治療のポイントとして多く使用します。
当院で行うトリガーポイントの刺激方法は他にありませんので、患者様の感覚は「イタ気持ちいぃ~!」と言って、この感覚だけはどこに行っても受けられないようです。
自宅で出来るトリガーポイントの押さえ方
最後に、腰痛でお困りの方に是非行ってほしいトリガーポイントの押さえ方をお伝えしておきます。
非常に簡単ですので、今すぐ行ってみてください。
- 椅子に腰かけるか、体育座りをします。
- 骨盤の前側に親指を当て、骨の出っ張りを触ります。
- 骨の出っ張りから外側に親指をスライドさせ、親指でぐにゅっとした筋肉が触れることを確認します。
- 親指で触れる筋肉を体の外側から中心に向かってゆっくり押し込んでみてください。
いかがですか?
押している点が痛い!という方や、足首の方までツーンと響く!というかたもいるのではないでしょうか?
全身のトリガーポイントを効果的に使うと、驚くほど痛みが変わります。
また、可動域を広げて体を柔らかくすることもできます。
是非効果を実感してみてくださいね。